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2008'05.16 (Fri)

去年の夏の下旬、ボクの庭に現われたカマキリを、ボクはフォンティーヌと名付けた。フォンティーヌは、冬が来る前に寒さに耐え切れず死んだけれど、ボクの庭に卵を残した

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これがその卵。

春も近づいたある日、アベリアの茂みの中からひょっこり発見された。ずっと捜していたのに、見つけてみたら結構解かりやすいところにあった。そこはちょうどボクの車の排気ガスがかかる場所だったので、それからエンジンを直ぐに切るようになった。


昆虫図鑑で調べたところ、カマキリの卵は5月に孵ると書いてある。4月から毎日、朝犬の世話が終わった後に観察するのが日課になっていた。

最初のうちは毎日写真を撮っていたが、何の代わり映えもしないので3日でやめた。


・・・いよいよ5月になっても、卵に変化はない。どうしたのかなーと心配していたある日・・・

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卵の近くに小さなカマキリが歩いているではないか。

・・・とっくに生まれていたのだ。

ボクが毎日眺めていたのは、もはや卵の殻だった。調べてみたら、カマキリは卵の隙間から出てくるらしい。ボクは鶏の卵が孵るように、卵の何処かにバリッと穴が開いて出てくると思い込んでいたのだ。


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これがその子カマキリ。フォンティーヌの子供だから、フォン子と呼ぶようになった。

フォン子は、ボクの腕に生えている毛にも足を捕られるくらい小さかった。カマをふりふりボクの腕を上っていく姿はまるで稲刈りしているようだった。

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数ミリしかないカマで、ショウジョウバエを捕獲して食べている。
小さくてもイッチョマエにカマキリなのだ。

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木香薔薇の花の上。
この木香薔薇の蔓が、お前達の母さんの住処だったんだよ、と呟いてみる。
昆虫のように、親が子育てしないような生き物は、『お母さん』という存在を知らないんだなぁ。



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関係ないが、薔薇に誘われてやってきた揚羽蝶。まだフォン子たちには大きすぎて獲物にはならない。

日を追うごとにフォン子の数は減ってきている。アリに食べられたのかもしれないし、共食いしないように本能的に離れて生活するようになるのかもしれない。

我が家の庭にも、一匹くらいは居ついてくれるといいな。



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2007'11.17 (Sat)

さよならフォンティーヌ

秋が訪れた頃、フォンティーヌのお腹が膨らんでいることに気がついた。

すぐに思い当たったのは、その数日前に一度だけ、フェンティーヌではない別のカマキリが、いつもフォンティーヌのいる木にいたこと、つまりそれはフォンティーヌの旦那さんだったのだ。

旦那さんは、フォンティーヌと同じくらいか、それより一回り大きくて、背中が茶色いツートンカラーのボディをしていた。

よくカマキリのメスは、交配後にオスを食べてしまうというが、その旦那さんは我が家の別の木を住処にきめたようで、僕の庭にはカマキリが二匹住み着いたことになった。


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これが旦那さん。フォンティーヌの伴侶だから、ジャンと名前をつけようかと思いつつ、なんとなく名前がないまま日にちが過ぎていった。


ある日、フォンティーヌが姿を消した。

かなり捜したけれど、何日も居なかったので、もう何処かに行ってしまったのか、それともタマゴを生んで力尽きたのか・・・と考えていた。

1週間ぐらいして、フォンティーヌは姿を見せた。膨らんでいたお腹がへっこんでいたから、タマゴを生み終えてきたと解かった。

そして、その後本当に姿を消した。




一方旦那さんは、それからまだ2週間くらいは、我が家の庭で生息していた。でも、風が冷たくなって、いよいよ秋が深まってきた頃、とうとう地面に落ちた。まだヒクヒクしていたけれど、もう死はすぐそこにあって、その頃になると、団子虫やら小さな虫がやってきて、カマキリの大きな体を這い始めた。

今まで昆虫を捕って食べてきたカマキリが、今度は小さな虫のご飯になるのだ。懐中電灯で照らすと団子虫は逃げていった。一瞬埋めようかと思ったが、『銀河鉄道の夜』に出てくるあの蠍を思い出して、カマキリの最後はボクの関与することではないと思った。


翌朝、カマキリは、足の付け根だけを抜け殻のように残して、綺麗になくなっていた。天国に召されたのだ。
フォンティーヌの最後は見ることができなかったが、おそらく同じように空に還っていたのだろう。


もうすぐ冬が来たら、我が家の落葉樹達が葉っぱを落とすだろう。そうしたら、きっと茶色いカマキリの卵が見つかるはずだ。

フォンティーヌと旦那さんが残したチビ達が、来年暖かくなったころに、わんさかでてきて、我が家の庭がカマキリだらけになったら・・・

それはそれで困るなぁ。


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さよなら、フォンティーヌとその旦那さん。


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2007'09.23 (Sun)

マント

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相変わらずカマキリは徘徊している。少しずつ移動しているが木香薔薇の茂みの何処かにいる様子。この木香薔薇は、色合いといい、カマキリが隠れるのにちょうどいいし、他の昆虫もよくやってくるし、餌場として良い環境なのかもしれない。

蜂を追い払ってくれたこともあって、我が家で飼っているような錯覚が芽生えてきたこの頃、コイツに愛称を付けようと思った。僕はこの4月くらいからフランス語を勉強しているので、カマキリをフランス語で呼ぼうと思い、調べてみると“mante”とあった。“mante religieuse(修道士のマント"

発音はそのまま『マント』・・・いまいちだ。

マントというのは外套のことで、修道女など聖職者が着ているもの。何でもカマキリの姿が、祈りの姿に似ていることから付いた名前らしい。言われてみればマリア像のシルエットに似ているかもしれないが、あんまりカマキリのイメージじゃないような気がする(広辞苑では鎌切・蟷螂・螳螂と漢字で表記されているが、最初の“鎌切”は見た姿そのままだ)。



ところで、最近デジタルカメラを買い換えた。
サイバーショットw200なのだが、高感度で夜景も美しく撮れるとうたっている。カマキリの写真もそれで撮ってみたが、なかなかいい感じ。

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夜の空も雰囲気が出る。銀杏の木がオバケみたい。以前のものなら真っ黒になるだけだった。クラリスも撮ってやろうとしたら・・・

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眩しかったらしくて変な顔になった。


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2007'09.22 (Sat)

カマキリ

先日庭の木を切っていたら、突如として現われたカマキリ。結構大きくて手のひらサイズ。向こうもビックリしたろうが、こちらもとてもビックリして、空中に放り投げてしまい、そのまま地面に激突したカマキリは、脳震盪でも起こしたみたいに、しばらくクテッっとしていた。

そのうち復活したが、切って処分する枝に戻すのもなんなので、木香薔薇の蔓に載せておいた。

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夜になってふと捜してみると、乗せてやったポイントにまだいる。しかも垂直に逆さまになって・・・頭に血が上らないだろうか、と思う姿勢のままじっとしている。まだ具合が悪いのだろうか。

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それからなんとなく気になって、庭に出るたびに捜すようになった。

ところでこの夏、我が家の庭を、3匹の足長蜂が徘徊していた。彼らのテリトリーなのか、毎日昼間に定期巡回にきて、日が沈むまでうろうろしている。花も咲いていないのに木香薔薇の辺りを占領されるので、薔薇の手入れが夜中にしかできないという、困った状況が続いていた。


別に意図して置いたわけではないが、ある日、カマキリの近くをハチが通りがかったとき、ひょっとしてカマキリがハチを食べてくれないだろうか、と考えた。見ているそばからどんどんハチがカマキリの側に接近していく。これはコブラ対マングースのような勝負が始まるだろうか、と思ったけれど、怖いので家の中に入った。


その翌朝から、蜂は一匹もいなくなった。
最初は蜂の気まぐれかと思ったが、まったく姿を見せない。カマキリが蜂を食べたのか、カマキリの存在をしって蜂が逃げたのかは解からないけれど、ちょっとカマキリに愛着が沸いた気がする。


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